LINE MUSIC、AWA、Apple Musicでボカロ名を検索した

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2015年初夏、日本にも音楽定額配信の時代が来た!



Spotifyは来日するする詐欺とすら言える態度を繰り返し、
Music Unlimitedはサービス拡充するどころか
Spotifyと統合する形で日本では閉鎖してしまい、
代わりになるサービスも何もないという状況で「また鎖国の時代が来たか」と思っていました。

しかし、2015年5月にAWA、6月中旬にLINE MUSICが、
そして6月30日にはApple Musicと、
立て続けに大物音楽配信アプリがリリースされました。

いずれのアプリにも、Taylor SwiftやMALLON5など海外ビッグミュージシャン、
ゲスの極み乙女。のような人気若手バンドから往年の名曲、
ジャズやヒップホップなどオールジャンルの名盤など、
幅広いユーザー層が楽しむことが出来る配信ラインナップです。


現在、いずれのアプリも2ヶ月、および3ヶ月は無料サービス提供期間ですので、
自分は今3つのアプリ全部インストールして楽しんでいるところです。

しかし大抵、音楽配信アプリというものは「有料/無料」の壁が非常に高く、
日本で現時点では主流となっている「月額定額制」は、
海外ではあまり普及していません。
主に広告の有無で有料/無料が分かれ、曲数や利用時間に制限が無いSpotifyが覇権を握っており、
「サブスクリプション」と呼ばれる月額定額制のサービスはいずれも主流ではないようです。

じゃあ日本はこのまま定額制が定着するのか?
それとも無料期間が終わったらみんな去ってしまうのか?
それはわかりませんが、とにかく今の無料期間の間にサービスを楽しんで、
自分に合うサービスを選ぼうではないかと思う次第です。


さてさて、ここからが本題。
正直、音楽アプリが3つあります!と言われても、
どれを使えばよいかよくわからないですよね。

なので、3社のアプリごとにラインナップはどう違うのか?
ということを発信していけたらと思ったのがこのエントリーです。

自分が音楽アプリに求める配信ラインナップは、
 ・ロック全般(特に90年〜2000年のJ-Rockとか、海外のメタルとか)
 ・ジャズスタンダード(Miles、Evansとか、スタンダード曲全般)
 ・アニソン(最近のじゃないやつ)
 ・女性Voの歌もの
 ・有名どころの洋楽
 ・その他、ざっくり流しておけるプレイリスト

ってところなんですけど…
色々試したところ、正直上に書かれているようなやつでは
3社とも大した差は無い!という結論に至りました。

強いて言えば、ジャズや洋楽プレイリストはAWAが使いやすいかな?
ってところでしたが、
Apple Musicが公開され、ジャズや洋楽のラインナップは比較にならないレベルでしたので、自分の中ではAWAの強みをApple Musicが包括してしまったような感じです。


では、3社で明らかにラインナップが違うジャンルは無いかなあ、と探したところ、
ボカロというジャンルが結構違いがあるなあ、と気付きました。

ボカロは基本的にボカロPと呼ばれる作曲家がDTMで作曲し、
ニコ動で公開され、そのうち反響を呼んだものがコンピになるか、
ライブイベントなどのイベントを収録したCDとしてリリースされる形が多いようで、
1アーティストがフルアルバムを何枚も出すという形はあまり多くないようです。

そのため、音楽配信アプリでは、
 ・コンピアルバムを数多く配信登録する
 ・有名なライブイベントが収録されたCDを狙って配信登録する
という方法でラインナップを揃えているケースがほとんどです。
(この方法だと、有名曲を狙って収録できるという理由もあるかもしれません。)

なので、ざっくりと検索をした結果を以下にまとめます。
この「検索して数を調べる」というのがとっても大変でしたし、
正確な数値であるとはとても言えない結果になっていると思うので、
おおよその曲数として理解してもらえればな、というところです。


[集計方法]
1.
クリプトンボカロ、GUMIなどのボカロ名で検索する。
(なので検索対象から外れてるボカロは多いかもしれません)
検索ページの「曲」のページを開き、そこに記載している曲数をカウント。
なお、Apple Musicは曲数が表示されないので、
代わりにアルバムの枚数を手動カウント。

2.
こちらが意図しない検索結果(以下、検索ノイズと表現する)は、
目視でざっくりカウントを減らした上でおおよその数字を出す。
例としては、GUMI曲の検索結果の中の「め組の人」は外す、など
検索ノイズが多い場合は、カウントを諦める。
そのため、IAボカロ曲はカウントできていない。

3.
曲名・アーティスト名の両方にボカロ名が含まれない場合、
カウント対象から除外する。
例としては、アーティスト名「ゆよゆっぺ」曲名「Leia」なら当然巡音ルカボカロ曲だが、「巡音ルカ」で検索した時に含まれないならカウントしない。


 LINE MUSICの検索結果

初音ミク 500曲以上
鏡音リン 500曲以上
鏡音レン 499曲
巡音ルカ 500曲以上
KAITO 229曲 ※ 同名アーティストの曲が含まれている可能性大
MEIKO 278曲
GUMI 200曲弱 ※ 検索ノイズ多し
他、いろは・ずん子なども少々収録あり

[LINE MUSICへのコメント]
まず、検索結果の最大表示数が500件なので、
500件以上はカウントできていません。

収録曲はとても多いです。

他のサービスとの差別化のポイントとしては、
コンピ・ライブCDだけではなく、ボカロP自主制作の音源が多い」
という点が決定的に違います。
LINE MUSIC自体が、インディ御用達のiTunes流通をサポートする有名企業が
早くから配信サポートを行うと広く告知していたこともあり、
iTunesで流通している自主制作音源の一部が制作者の判断により
LINE MUSICへ早くから配信を決定していたのではないかと思います。

『千本桜』や『初音ミクの消失』など有名曲もバッチリありますので、
幅広いボカロ好きな方々をサポートしているのではないかと思います。



 AWA

初音ミク 92曲
鏡音リン 13曲
鏡音レン 13曲 ※ なぜかリン曲も一緒に引っかかる
巡音ルカ 20曲
GUMI 40曲〜50曲ぐらい (検索ノイズ多し)
(KAITO・MEIKOは検索ノイズが多すぎて断念)

[AWAへのコメント]
うーん、ボカロ収録数が少ない・・・!
検索ノイズも多いので、実質上記の曲より少ないかもしれません。

特筆する点は『初音ミク singsニューウェイヴ』が収録されているのはAWAだけで、
みろんPさんのボカロが聴ける唯一の音楽配信アプリとなっていることです。

AWAの得意としているジャンルが、洋楽・ヒップホップなどで、
トップページにそういったジャンルのプレイリストを配置して聴いてもらうという方向性なので、ボカロ方向にはそれほど力を入れていない結果だとは思いますが…

ただ、洋楽という方向性ではApple Musicの方が当然強いわけで、
プレイリスト方向もApple Musicの「For You」機能には勝てないんじゃないか?と思うので、
AWAは今後どうしていくのか少々気になるところですね。


 Apple Music

※ 曲数は表示されないので、アルバム枚数でカウント
初音ミク アルバム45枚ぐらい
 ⇨アーティストページ、および初音ミクラジオがある!
鏡音リン アルバム70枚ぐらい
 ⇨アーティストページ、および鏡音リンラジオがある!
鏡音レン アルバム50枚ぐらい
巡音ルカ アルバム50枚ぐらい
KAITO アルバム30枚ぐらい
MEIKO アルバム15枚ぐらい
GUMI アルバム17枚ぐらい

[Apple Musicへのコメント]
収録数はLINE MUSICと同等か、少し少ない程度でしょうか。
有名曲もバッチリ収録されていますし、最近のコンピアルバムもしっかり収録されています。
3社の中では唯一『マジカルミライ2014』が収録されているのが大変よろしいですね。

Apple Musicだけが持つ独特な機能としては、
「初音ミク」と「鏡音リン」のアーティストページがあります。
初音ミクの曲やアルバムがまとまっているだけではなく、
アーティスト名ごとに設置されている『初音ミクラジオ』を再生すると、初音ミクを中心としたボカロ曲や似たジャンルの曲が自動で流れ始めます。

LINE MUSICに比べれば、いろいろなボカロPの曲を聴けるという面は弱いかもしれませんが、この『ラジオ』機能など「とりあえず流して、気になった曲を深堀りする」という楽しみ方ができるのが、Apple Musicの最大の強みかもしれません。


 まとめ

・有名曲からまだ見ぬボカロ曲まで幅広く楽しみたいならLINE MUSIC!
・埋もれたボカロ曲をDigりたいならLINE MUSIC!
・有名曲に加えて、ここ1年ぐらいの最近のコンピはApple Musicが一番収録されている!
・『初音ミクラジオ』を使ってボカロ音楽を自動再生できるのはApple Musicだけ!
・AWAはがんばれ。

それから検索しながら思っていたのですが、
LINE MUSICはインディーズ音楽に強いってキャラクターで売り出せるかもなあということ。
ボカロPというのは一部の人を除いてインディそのものですし、
その人たちがフルアルバムを配信しているということは、
インディーズのバンドも同じようなことが出来るってことですし。

それをLINE側がどう活用していくのかはまた別の話ですが。

逆にApple Musicが、そういったインディーズバンドのような
なかなか日の目を見ないアーティストの音楽を、
『ラジオ』機能で広めていく流れが上手く出来上がったらいいなぁとも思いました。
(海外では、Pandoraがその方向で大成功していますしね)

さて、各社の無料期間はおよそ残り1ヶ月半〜2ヶ月。
どのようにサービスがブラッシュアップされて、
どれぐらいの人が継続利用するか楽しみですね。


最後に宣伝です。

僕のバンドTOKYO SICKS(現在活動休止中)のアルバム『NOWHERE』が、
LINE MUSIC、Apple Musicで配信中です。

ボカロ絡みの話題で言えば、昨年に巡音ルカボカロでニコ動に公開した
『風俗嬢と梅雨の雨』という曲が、
作曲者ヴォーカルのバージョンで収録されています。

こちらはボカロ版



LINE MUSICやApple Musicでは『TOKYO SICKS』で検索すれば出てきます。

アコースティックギター、アップライトベース、ピアノで編成された
珍しいロックバンドだと思いますので、
音楽配信アプリでバシバシ聴いてあげてください。

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